年休、取ってる?(月末のひとこと 2019年8月)

「そもそもデンマークでは、

代わりがいないから休めないという働き方をしていない。」

これは、3月に行ったデンマークで

ナビゲーターのニールセン北川朋子さんのことば。

私が、日本で年休取得率

(労働基準法第39条の年次有給休暇のこと)

が悪い(50%)原因について、

「人手不足」を挙げたことへの返答だった。

夕飯の鹿肉を食べながら。

初めての鹿肉は、臭みや油分はなく、

噛み応えのある肉だった。

そして、朋子さんの二言目にはいつも、

「共働きは当たり前だし。」だった。

時短勤務だから、

フルタイム勤務でないから

責任ある仕事は任せないということもないらしい。

できている国があるのだから、

日本だってできないことはない。

「いいと思うかどうか、真似してみたいと思うかどうか。」

だと言われると、

本気度を試されているように思った。

ただ、

日本の友人に

100年先を行っているデンマークの話をして

「せめて3年5年先の話にして。」と言われ、

それもそうかもとも思った。

日本で年休をほとんど取得しない人に理由を聞いてみた。

「仕事が好きだから。」

「責任もって仕事をしているから。」

「みんな取得していない。」

「退職時に消化するものという慣習。」

「年休は、病欠のときに取得するもの。」

そして、事業主の言い分は、

「予算がない。人がいない。」

今一度、働くひとに問いたい。

仕事以外にすることはあるか?

仕事以外に承認欲求は満たされているか?

ちゃんと休めているか?

そういう私も「休むこと」が苦手だ。

ぼ~としていることも苦手だ。

「ただそこにいる」ことが苦手だ。

何かの役に立っていないと

自分の存在価値が脅かされる感じがある。

そんなことはない、私はただここにいていいのだと、

何度も言い聞かせている。

なんとなく、身体で分かってきてはいる。            

私たちには休む権利があるはずだ。

民主主義の国、デンマークで学んだこと。

私のことは私が決める。

みんなのことはみんなで決める。

そのために話し合う。

人望のあるひとが必要。

個を活かすために協働する。

すべては世界一になるイノベーションを起こすため。

年休取得についてもあてはまる。

私が年休を取得したいときに取得する。

休みたいときに休みたい。

時間単位で取得できると便利。

対人援助職だから出来ないって本当か???

きっと福祉先進国北欧は実現しているはず。

福祉のみならず、共働きあたりまえで

子どものことで呼び出されることしばしばとのこと。

そんなときに半日単位でしか取得できないとなると不便。

時間単位年休は、

今回の取得義務化の対象外で非常に残念。

それでもみんな一斉に休む訳ではないならば、

みんなで調整がいる。

休みたいときに休むために話し合えばいい。

話し合うために人望のあるひとが必要。

すべては、世界一の商品やサービスを提供するため。

<今月の労務Q&A 2019年8月>

Q 年休取得5日の義務化って何?

A 事業主が労働者へ2019年4月1日以後、

最初に年10日以上年次休暇を付与する日(基準日)から、

年休を1年間に年5日確実に取得させる必要があります。

違反すると、30万円以下の罰金です。

もちろん、労働者の意向を尊重して時季指定します。

労働者の請求する時期に所定の年休を与えない場合、

6か月以下の懲役または30万円以下の罰金です。

計画年休の労使協定を締結し、

祝日や夏季冬期休暇と合わせて長期休暇とすることも

ひとつの方法です。

使用者が時季指定するには、

就業規則に記載する必要もあります。

違反すると、30万円以下の罰金になります。

また、

年次有給休暇管理簿の作成および3年保存が、

使用者へ義務付けられました。

私は、労働者ひとりひとりが管理し、

使用者がダブルチェックを行う方法を推奨しています。

詳しくはお問い合わせください。

一人一人が自律し、

正当な権利を主張しいく訓練になると

考えているからです。

西垣裕里(ゆりりん)

 特定社会保険労務士

 精神保健福祉士

かえせ☆生活時間プロジェクト チームあいちメンバー

年次有給休暇5日取得義務化

<参考文献など>

  1. 2019年3月2日~9日デンマーク研修「教育とデザインのシテンから次世代のためのトランジションを考えるデンマーク8日間」ナビゲーター:ニールセン北川朋子
  2. 伊是名 夏子「時には『休む』人に」障害者は四つ葉のクローバー 2019年7月14日付中日新聞朝刊
  3. 芳子ビューエル 「fika 世界一幸せな北欧の休み方・働き方」キラジェンヌ株式会社 2019
  4. 銭本隆行 デンマーク流「幸せの国」のつくりかた 明石書店 2012
  5. 吉越浩一郎 世界標準の働き方 日本式ガラパゴス仕事から脱しよう 日本文芸社 2014
  6. 新井直之 超一流、二流、三流の休み方 あさ出版 2018
  7. 田中美津 「ぼーっとしようよ養生法」三笠書房
  8. 矢作直樹 「自分を休ませる練習~しなやかに生きるためのマインドフルネス~」文響社2017
  9. 厚生労働省「年5日の年次有給休暇の確実な取得 わかりやすい解説」
  10. 労政時報 「年休取得促進特集 年休の取得促進策」第3957号 2019年7月12日
  11. 月間人事労務実務のQ&A「使用者が時季を指定して5日付与する義務。違反企業には罰則も 年休の時季指定による付与をめぐる諸問題」No.105 2019年4月